9月

18

By djmagimix

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世界の人権

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今年もこの季節がやって参りました。2007年版からやっておりますアムネスティー・インターナショナルの年次報告書が、8月末に出版されてました。例年通り、私の担当箇所はヨーロッパ地域各国。これは当然EU27だけでなく、その周辺国(トルコとか、ウズベキスタンとか、キルギスタンとか)を含む合計ほぼ50ヶ国について、2008年中に報告された(報告されてないのも一杯ある)人権違反について、だだだーと書き連ねているのを翻訳するという作業です。いやあ、各地で横行してますよ、人権無視。EU加盟国みたいな一見文明国ぶっているようなところでもですね、びっくりするような事例があります。

だから訳していて気が滅入る。いや、ほんとに。

「基本的人権」っていうのはさ、こういうの訳していてほんとに思うんだけど、本当に最低限な権利のことなのよ。本当はさ、みんな良い家に住んで、良い服来て、良いもの食べるのが「基本的」な権利だと思うでしょう。そんなんじゃないんですよ。あるいは机上ではそういう風にして構想された権利なのかもしれないけれども、そのあとものすごく適用範囲が縮小されてきていて、多分今も縮小されていて、今では本当に、精神疾患ぎりぎりのところで正気を保てる、くらいの生活条件を保証するだけのものになってるんですが。人間が自分に尊厳を持てるぎりぎりのところで最低限必要な権利。

ですがそれでも、そんなちっぽけな生存条件の保証ですら、強者は蹂躙するんです。移民の問題、民族の問題。なんでも異端をキチガイ扱いするような風潮は、なくなりません。ナチスなんて昔の話だと思っているかもしれないけれど、ホンの数年前にはほとんど同じ理由で、ヨーロッパで大量殺戮が起こってます。

そんなんで、重たい仕事なんですが、それでも毎年やらせていただいているのは、このアムネスティ・インターナショナル日本の藤田真利子さんの人柄ゆえですね。他のところでも書いたけれど、藤田さんは僕が一番尊敬する翻訳家の一人です。アムネスティ・インターナショナル日本の理事長であり、死刑廃止運動家であると同時に、一流のミステリー翻訳家。ミステリーだけではなく、チョムスキーの本とか、ちょっと前に話題になった『プリンセス雅子』とか、『強姦の歴史』とか、『男たらし術』とか、いろんな本を手がけています。どうやったらこんなペースで仕事できるのか、全く頭が下がります。おまけに英語も,フランス語もいける。更に、少なくとも一日一冊は本を読んでいて、しかも本は図書館で借りるので、自分ではほとんど買わないんだそうです。こういう姿勢は良いよね。すごく良いですよね。

毎年一度くらいの割合で、出版社の出版情報をアップデートしたり、アムネスティのフランス支部の状況を視察したり、お気に入りの書き手との親交を深めるたりするために、パリにいらしているようで、それでこれまでにも何度かパリでお会いしました(日本でも会ったけれども)。

大抵の場合、パリにいらしても、僕らは仕事中で、事務所も散らかり放題な感じだったんですが、藤田さんは、せわしなく働く僕らを見ては朗らかに笑い、「休みとってパリに来ると良いわね。だって、皆さんが忙しそうにしていればいるほど、休暇中と言うのが心にしみるわ」みたいなことを……。

そう,人間的なんですよ、藤田さんは。人が人を殺したいと思うことは、あまりに人間的なことなんです。こっから先は、僕が勝手に考えてることだけど、藤田さんがミステリー小説の大ファンで、特定の作家の作品の翻訳を、ライフワークのように大事にしていらっしゃるのも、多分そういうことなんだと思うんです。でも、そのことと、国家に人を殺す暴力を認めることは全く違う。

この辺の理屈が通じないと、死刑廃止論者は非人間的みたいな倒立した議論になってしまうと思うんですよね。

ヨーロッパでも、一部の国々では廃止した死刑制度を復活させようというような動きがあるようです。

新内閣の千葉法相は死刑廃止論者らしいですね。

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このネタでは最初の記事ですね.

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